今回はTone Projectsの「Unisum」について書いていこうと思います。
Unisum
見た通り、とてもパラメーターの多いコンプレッサーですね。
基本的なパラメーターはもちろん、かなり細かい設定にも対応した構成になっています。
それでは早速見ていきましょう。今回のバイパスはこちら↓
デフォルトだとこんな感じ↓
使い方
たくさんのパラメーターがありますが、多くは普通のコンプレッサーと同じものですね。
分類で分けると下の図のようになっています。(マニュアルより)
ちなみにシグナルフローはこんな感じ
上の図の枠の順に見ていきたいと思うのですが、まずはUI上枠にある共通部分から。
右上のPARAMSは左右でパラメーターをリンクさせるかどうかを選択します。
LINKに設定していると右と左でパラメーターが同じ値になります。(つまみの設定が同期される)
MODEではLRとMSを選択します。青枠の左がLまたはM、右がRまたはSのコンプレッションとなりますね。
QUOLITYではその名の通り品質を決めます。(オーバーサンプリングのことです)
下に行くほど高品質でCPUの負荷が大きくなります。
最後に、真ん中下のピンクの四角はステレオでコンプレッションするかモノラル2つでコンプレッションするかというつまみです。
左に回し切ると左右二つのレベルを同時に検出し、左右で同量のリダクションを行うのに対して、
右に回し切ると左右それぞれでレベルを検出し、左右独立して対応したリダクションを行います。
メイン部
水色の枠が主なコンプレッサーのパラメーターで、先ほどのMODEで解説した通り
左がLまたはM、右がRまたはSのコンプレッションに関わるものとなります。
とりあえずリダクションが効く設定にしてみようと思います。
さらにRATIOを上げてみます。
ちなみにですが、音を再生しているときにGAINの右下にあるautoをクリックするとちょうどいいラウドネス値にGAINを設定してくれます。
さらにThresholdを下げてみます。
だいぶきつい設定にしてみましたがそこまでめちゃくちゃはなっていませんね。
ここからはThreshold -20.0dB Gain 7.1dB Ratio 10:1の設定をベースにしていこうかなと思います。
次に、KNEEを動かしてみますね。
KNEEが低いとややでこぼこした感じですね。
その下にあるREL.CURVEはリリースのカーブを設定します。
図を見ると、右に回すほど最初にリリースが早めに戻り後からゆっくりになるのに対して、左に回すと逆に最初はゆっくり後の方で早めになるみたいですね。
HYGEEボタンはサチュレーション回路のオンオフです。
上左二つはサイドチェインにまつわるパラメーターですね。
左はよくあるハイパスサイドチェインフィルターですが、右は次の3つから選択できます。
SC Emphasisはピーク型のブーストフィルターでサイドチェイン信号の特定の帯域をブーストさせることでその帯域をThresholdに引っかかり安くさせる機能があります。
SCDipはその逆でピーク型のカットフィルターです。特定の帯域がThresholdに引っかかりにくくなるようですね。
SC LowpassはSC HPと逆のサイドチェインローパスフィルターですね。サイドチェイン信号の高域を削りその部分がThresholdに引っかからないようにします。
RELAXはリダクションが深めにかかった時のリダクションカーブを変えます。
こんな感じに変わるそうです。
GR LIMITは設定した値をリダクション量の上限とするパラメーターです。
設定したリダクション量よりもリダクションをしなくなります。
あまりみないパラメーターの解説はここまでで終わりでしょうか。
MULTIBAND DETECTOR部
上の図の黄色い四角(左下)に位置するこのパラメーター部分では帯域を3つ(Low/Mid/High)に分けてそれぞれの調整を行います。
左2つのつまみで帯域の分かれ目を設定します。Mid/Hiが1000Hz〜12000HzでLo/Midが40Hz〜1000Hzの幅となっています。
RMSはRMSの検出速度を設定するもので、左に回せば回すほど検出が遅くなり緩やかな反応となるようです。
その右のPeak GainはPeak方式で信号を検出する時の反応性を調整します。
Peakを上げればその反応性が上がるので信号がThresholdを超えてすぐにリダクションが始まるようになり、
Peakを下げればRMSが優先されるようになるのでRMSの比較的緩やかな検出が採用されやすくなります。(RMSの設定によります)
マニュアルによるとPeak Gainは0dB以下にするのがおすすめだそうです。
Weightは各帯域の優先度合いを設定します。例えばHighを優先するとHighにリダクションが反応しやすくなります。
サイドチェインと似たようなパラメーターなのかなと思います。
xRatioで各帯域のレシオにかかる倍率を設定します。上で設定した値に係数がかかる感じですね。
こちらは上のslowをクリックすることで適用される速度が設定できるようです。
ATT/REL MODIFIERS部
上の図で緑の四角にあるパラメーターですね。名前の通りアタックとリリースのエンベロープを設定する部分です。
Loud xTimeでアタックの始まりの速さを決めます。右に回すほどゆっくりになるようです。
Quiet xTimeでアタックの終わりの速さを決めますこ。こちらも右に回すほどゆっくりになります。
X-Over Levelで前半と後半の境目を設定します。
図にするとこんな感じになるそうです。
Memory Effectは信号の強度によりアタックまたはリリースの長さを変えるという設定を行うパラメーターです。
左に回すと信号が強い時にアタック(リリース)タイムが短くなり、右に回すとアタック(リリース)タイムが長くなります。
右に回した時は光学式コンプの動作に近くなるそうです。
Transient Overrideも似たようなパラメーターで、信号の強度でアタック(リリース)タイムを変更するパラメーターなのですが、
Memory Effectが信号の大きさで緩やかに値が変わっていくのに対して、Transient Overrideは瞬間的にパラメーターが変わります。
ちなみに、これらのパラメーターでアタック(リリース)タイムが変更された場合、ATTACKまたはRELEASEつまみの周りに変更後の値を反映した白い光が点灯します。
2nd Env +TimeではLoud xTimeやQuiet xTimeで設定したエンベロープとは別のエンベロープを設定します。
2nd Env Mixは最初のエンベロープと2つ目のエンベロープの採用比率を決めるのですが、図のように右に回し切ると2nd Envのみが採用される事になります。
2nd Envはどうやら大きな入力信号が入った時に2nd Env +Timeで設定した時間でアタック(リリース)タイムを増加させるようです。
Env Smoothで両者のエンベロープの繋ぎ方の滑らかさを決めるようです。左に回すと緩やかに、右に回すと急に繋がります。
CHANNEL LINK
ここでは左右(またはMid/Side)間でのリダクションの仕方を設定します。
RMS/Peak BiasはRMSとPeakで検出方法の優先度合いを決めるのですが、真ん中下のピンクで囲んだステレオ/モノつまみの値が小さい方に適用されます。
このパラメーターはステレオ/モノすまみが左に回し切った時には動作しないようです。
Filterでは低周波または高周波に於けるCHANNEL LINKの影響を弱くします。左に回すと低周波に、右に回すと高周波に適用されます。
Limitでは左右のリダクション量の差の限界値を設定します。おそらく0にすると左右で同じリダクションがかかる状態(ステレオ)になると思います。
パラメーターの解説はこんな感じですね。
プリセット
プリセットを試してみます。一応ドラムバスの2つにしてみました。
Parallel Grooveの方が明るめに聴こえますね。
自分も適当ではありますがパラメーターを振ってみました。
アコギ
マスター/バス向けのコンプレッサーではありますが、トラックだとどうなるのかを試してみましょう。バイパスはこちら↓
こちらも適当にパラメーターを振ってみました。
割といい感じになっているような気がします。
まとめ
かなり多機能で細かい設定ができるコンプレッサーですね。
音は薄めでまさにマスタリング用って感じです。深めにかけても破綻しにくいと思います。
最後の微調整にもってこいのコンプレッサーなのではないでしょうか。
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