今回はオクターブファズの仕組みについて書いていこうと思います。
![](https://i2.wp.com/sounds-detour.com/wp-content/uploads/2019/04/IMGP2358.jpg?fit=1024%2C768&ssl=1)
前回の「ファズの仕組み・分類」はこちら↓
オクターブファズとは
歪ませながらオクターブ上や下の音を付け加えるエフェクターです。
オクターバーと呼ばれるエフェクターもありますが、
この場合はファズを応用した回路でオクターブ下の音を作り、
それと原音を混ぜるという処理をしています。
仕組み
オクターブ上
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まず、波形を移送反転したものとそのままのものに分けます。
![](https://sounds-detour.com/wp-content/uploads/2019/04/0a7aec211c3883f2bebd33746104a97b.png)
次に同じ方向のダイオードを通します。
ダイオードには片方の極性しか電流を通さないという特性があるので
1つしか通さない場合上か下の波形がカットされます。
![](https://sounds-detour.com/wp-content/uploads/2019/04/77261df00922acf1ce3014e8857b50cc.png)
あとはこの2つの波形を合わせます。
この波形は片方しかない上いびつな波形をしていますね。
あとはバイアス調整と増幅をして形をある程度整えます。
![](https://sounds-detour.com/wp-content/uploads/2019/04/93e8949eba7f2d274f6758fac88f3c91.png)
このようにしていびつな波形ではありますがオクターブ上の波形を得るわけですね。
このようにオクターブ上の音を得る回路を逓倍回路というそうです。
オクターブ下
![](https://sounds-detour.com/wp-content/uploads/2019/04/496d39b18cb35c305d8ab92a20a55899.png)
まず、思いっきりクリッピングをして歪ませるで波形を強制的に矩形波にします。
![](https://i0.wp.com/sounds-detour.com/wp-content/uploads/2019/04/a80e069d5ddf1e216bd650922c84c2c5.png?fit=1024%2C415&ssl=1)
フリップ・フロップ回路というものに通すことにより
音の立ち上がりポイントで反転させます。
偶数ポイントが反転の反転になり元に戻るところが肝ですね。
これによりオクターブ下っぽい音を生成します。
仕組みはおおよそこんな感じです。
オクターブファズのエフェクター
具体的にオクターブファズにはどのような物があるのかを紹介します。
Honey Baby Crying
1967年に新映電気という日本のメーカーから発売されたオクターブファズです。
オクターブ上を出すタイプのファズですね。
2SC828(P)というトランジスタとOA90というゲルマニウムダイオードが使われているそうです。
Univox Super-Fuzz
Honey社がユニコード社に製品を提供し、Univoxのブランドで作られたファズです。
なのでBaby Cryingと中身はほぼ同じだそうです。
前期型と後期型で見た目が違います。
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/r/reuss_sf02aa.jpg)
こちらがそのSuper-Fuzzを再現したGOO GOO FUZZだそうです。
見た目は全然違いますが・・・
Maestro Bass Brassmaster
主にベース用として作られたファズです。
クリーントーンとブレンドできるつまみがついていますね。
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/m/mhi_bassmastergmm.jpg)
こちらがそれを再現したMalekko Heavy Industry - B:ASSMASTER
こちらは見た目も似ていますね。
Tycobrahe - Octavia
1976年あたりから販売されていたというエフェクター。
こちらも時代によっていくつかの違いがあるそうです。
オクターブファズといえばこれが一番有名かもしれませんね。
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/1831cb8f.cfb16a63.1831cb90.7187ad55/?me_id=1198039&item_id=10019850&m=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fikebe%2Fcabinet%2Famp6%2Fchico_iron_octavian.jpg%3F_ex%3D80x80&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fikebe%2Fcabinet%2Famp6%2Fchico_iron_octavian.jpg%3F_ex%3D300x300&s=300x300&t=pict)
こちらがそれを再現したChicago Iron Octavianというモデルです。
見た目もそっくりですね。
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/r/rm_rmov.jpg)
こちらはRoger MayerのOctavia
Roger Mayerさんが改造したOctaviaをジミヘンが使っていたとか。
オクターバー
MXR - M103 Blue Box
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/m/mxr_m103e.jpg)
MXRの有名なオクターバーです。
原音とオクターブ下の音をミックスするわけですが、原音が変化するわけではないので
若干物足りなさがありますね。
シンセ系エフェクター
シンセ系エフェクターにはオクターバーが内蔵されているものが多いです。
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/e/eh_eh7901d.jpg)
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/e/eh_eh7951nn.jpg)
ELECTRO-HARMONIX - Bass Micro Synthesizer
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/e/eh_eh7920d.jpg)
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/e/eh_eh5995d.jpg)
エレハモばっかりですね。
あとはPIGTRONIXのMothershipなどがあります。
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/p/pn_ms2nn.jpg)
POGはシンセではなくオルガンシミュレーターですが、
おそらくオクターバーが入っていると思います。
まとめ
・オクターバーの基本原理はファズの応用である
・オクターブ上の音は逓倍回路、オクターブ下の回路はフリップ・フロップ回路により得る
こんなところです。
次回はディレイについて書いていこうと思います。(多分)
いろいろ考えた結果「ディレイ/リバーブとは」になりました。↓
今月のプラグインセール情報をまとめてみました。
よかったら見ていってください。
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