今回はフェイザーの仕組みについて書いていこうと思います。
![](https://i1.wp.com/sounds-detour.com/wp-content/uploads/2019/04/phase-100.jpg?fit=1024%2C768&ssl=1)
前回の「リバーブの仕組み」についてはこちら↓
フェイザーとは
フェイザーというエフェクトは、レスリースピーカー(Leslie speaker)で得られる
音の効果を電気的に再現することを目的に作られたエフェクトです。
レスリースピーカーというのは主にオルガンで使われるスピーカーで、
スピーカーのホーンそのものが回転しており、それによりドップラー効果を伴う揺らぎをえることができるというものです。
見にくいですが奥にあるスピーカーがレスリースピーカーです。
![](https://i2.wp.com/sounds-detour.com/wp-content/uploads/2019/04/IMGP2387.jpg?fit=1024%2C768&ssl=1)
レスリースピーカーの回転速度によって揺れの強さが決まります。
最後あたりの音が回転を速くした時の音ですね。
音が揺れているのがわかるかなと思います。
位相シフト回路
さてこれを電気的に再現するために位相シフト回路というものを用いることを考えたようです。
位相シフト回路はLFOで揺らすことにより、0°~180°まで位相を変える回路です。
![](https://sounds-detour.com/wp-content/uploads/2019/04/cf652d01b295a40b82b4efcba1d88edd.png)
位相シフト回路は1つでは0°~180°
180°ということは逆相で音がなくなってしまいます。
なので大抵は偶数個の位相シフト回路を通します。
2段、4段、6段、8段、10段、12段くらいまであるようですが、
4段がポピュラーなんじゃないかなと思います。
![](https://sounds-detour.com/wp-content/uploads/2019/04/3d140936c78d1619845baf8620aa5a43.png)
4段フェイザーをフィルターのグラフで表すとこんな感じです。
位相シフト回路は位相をずらすフィルターと捉えて、オールパスフィルターと呼ぶこともあります。
凹んでいる部分はちょうど180°になっていて打ち消されている部分ですね。
このフィルターがLFOで動くことにより位相が揺れる効果を得ているわけですね。
フェイザーがレスリースピーカーをうまく再現出来たかどうかは微妙ですが、
これはこれで1つのエフェクターとして受け入れられたというわけですね。
代表的なフェイザーエフェクター
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/m/mxr_csp026d.jpg)
はやり一番有名なのはMXR Phase 90でしょう。
多分最初に発売されたコンパクトエフェクターのフェイザーなんじゃないかなと思います。ちなみに4段フェイザーです。
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/m/mxr_m107d.jpg)
こちらはPhase 100ですね。6段フェイザーだそうです。
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/m/mxr_csp105d.jpg)
ちなみに2段フェイザーのPhase 45もあります。
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/e/eh_eh4850da.jpg)
エレハモのSmall Stoneというフェイザーもあったのですが、
今ではNanoという小さいバージョンしかないようですね。
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/e/eh_pyramids_nn.jpg)
![](https://www.soundhouse.co.jp/images/shop/prod_img/c/cba_wombtonemkii.jpg)
などなど、最近のフェイザーにはおもしろそうなものがありますね。
まとめ
・フェイザーは位相シフト回路をLFOで揺らすことによりレスリースピーカーのような効果を生み出す。
・位相シフト回路は偶数段で用いられる。
こんなところです。
次回はコーラス/フランジャーについて書いていこうと思います。
と思いましたがまずはフランジャーから
今月のプラグインセール情報をまとめてみました。
よかったら見ていってください。
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