今回はGRAPEVINEの18thアルバム「Almost there」について書いていこうと思います。
前回の「新しい果実」はこちら↓
Almost there
オレンジが中心の暖かい配色が目を引くジャケットですね。
台形の形をしたモニュメントが謎です。
1.Ub (You bet on it)
カリカリに歪んだギターのストロークがシャッフルのビートに乗ったイントロですね。
なんだか盆踊りぽさも感じます。グラムロックっていうのかな。
サビはメロトロンみたいな響きのシンセが入ってきますね。かなり伸びのある音です。
2分あたりでハイハットの刻みが2拍3連になっているのが亀井さんにしては珍しいような気がします。
ギターソロもシャッフルに合わせた跳ねたフレーズになっていますね。
アウトロはメロトロンの音だけになってどこか哀愁のある響きです。
2.雀の子
シンセのピーというシンプルでいかにもな電子音とうーというコーラスが印象的なイントロですね。12123で3拍子なのかな。
Aメロはハイハットの音が打ち込みっぽい響き。スネアはゲートリバーブがかかっていて残響が切れていますね。
サビは歪みが強いギターバッキングとアルペジエーターのシンセが分厚い音像を作っています。
ギターソロはローポジションが中心で溜めの利いたフレーズです。
コーラスから再度サビに入る流れがいいですね。
3.それは永遠
アコギとストリングスを模したシンセの音が爽やかなイントロですね。
Aメロもサビもギターはアルペジオですが、このフレーズダウナーな感じがしていいですね。
1分1秒あたりから入ってくるトレモロかパンを使ったキリキリとしたシンセの音がこの曲の音像の中核を担っているようなきがします。
ギターソロもディレイがうっすらとかかっていてフレーズもさらっと軽めな感じなのがいいですね。
最後のアコギがきれいに響いていますね。ただ、鳴らすコードはシンプルすぎて若干ひねりがあってもよかったかも。
4.Ready to get started?
イントロの最初はワウを使った刺激的な音が印象的なイントロです。
タイトルの「Ready to get started?」からギターソロのリフがワイルドな感じですね。
歌詞はドライブを歌っている曲なのかな。全体的にストレートなロックナンバーですね。
アウトロの最後2拍3連になるあたりはちょっとカオスですね。こちらも最後の音を担当するのはシンセのようです。
5.実はもう熟れ
浮遊感のあるシンセとクリーントーンのギターが爽やかですね。イントロは4つ打ちでディスコ感があります。
ミョンミョンと鳴るリードシンセが面白いですね。
2分30秒あたりからのコーラスのかかったギターアルペジオがきれいです。
ギターソロが左と右にあって右はリバーブを多めに使った幻想的な音を出していて、左は軽く歪んでいるだけのストレートな音になっているのが対照的ですね。
スローで緩やかなダンスナンバーといったところでしょうか。
6.アマテラス
ドラムとベースだけではじまるどこか怪しげな曲です。ベースもシンプルにしか弾いていないのが怪しさを増長させていますね。
サビでギターが入ってきて田中さんが高らかに歌い上げる豪快な曲です。
ギターソロは長めに尺が取られていてトレモロとかのエフェクターでかなりやりたい放題です。
歌詞は皮肉が強めな内容なのでしょうか。
7.停電の夜
タイトル通り夜をイメージさせる穏やかなイントロです。ハイを落としたエレピの音が後ろで音像を支えていますね。
ハイハットの音は打ち込みでしょうか。
この曲も57秒あたりからコーラスのかかったカッティングが入ってきています。
1分38秒からはシンプルなアルペジオに。いい音ですね。
ギターソロもシンプルなロングトーンで渋い感じです。
最後もコーラスのかかったギターで締め。とても清涼感がありますね。
8.Goodbye, Annie
のっそりとしたギターリフの重たいイントロですね。
この曲かなり歌詞が危ないですね。なんでこんなに毒々しいのか笑ってしまうくらいです。
2分40秒あたりからの間奏は雄叫びが入っていたり軽いドラムソロがあったりかなり詰め込まれていますね。
3分24秒あたりからのギターソロの音どうやって作ってるでしょう。かなりエグい音してます。
最後の「あー」っていう声はなんなんでしょうか。その後のギターがまた強烈ですね。
ファズとスローなフェイザーの組み合わせかな?
9.The Long Bright Dark
キーンとしたギターの響きが耳に残るイントロです。シマーリバーブでしょうか。
この曲はアコギがバッキングの主体になっているようですね。
1分29秒からはストリングスの音が結構派手に入っています。
「うー」というコーラスが度々用いられていますね。間奏の終わりとかほぼそれのみのパートもあります。
アウトロは開放弦を使ったギターフレーズからシマーリバーブの音で綺麗にまとめられていますね。
10.Ophelia
ミュートを使った余韻の短い単音リフが面白いですね。
左はアコギがコードワークとアルペジオの混ざったバッキングを弾いています。
サビは歪んだギターの轟音がかなり強いですね。
間奏のギターソロはディレイとリバーブがかかり滲んだサウンドになっています。
全体的にダウナーで沈んでいくような曲ですね。
11.SEX
コーラスでやや壮大に始まるイントロからシンプルな演奏でボーカルの入ってくる穏やかな曲です。
40秒あたりから入ってくるアルペジエーターで上に行ったり来たりするシンセがどこかレトロな響きですね。
全体的に楽器隊が地味な演奏をしているだけに2分17秒あたりから入ってくるシンセの音が派手に聴こえますね。
この曲もギターソロはファズで歪んでいてサステインがとても伸びています。
3分31秒あたりから入ってくるピアノの音が優しいですね。
最後はコーラスにピッチベンドをかけてぐにゃりと曲がった音になってるのが面白いと思います。
まとめ
荒々しさと爽やかさの両方が入っているアルバムだと思います。
今回はキーボードの高野勲さんがアレンジの指揮をとったそうで、高野さんの意向によりギターの音の歪みが強くなったそうです。
キーボード/シンセも少し目立っているような気がしますね。
インタビューによるといつもの寓話的な表現より直接的な歌詞にしたとのことですがどちらかといえば自分は前のほう(直接的ではない方)が好みだったなと思います。
あと、最近のGRAPEVINEの音はややリバーブが濃い目になっていて音の密度が高すぎるように思います。
もう少しリバーブ控えめにして音の隙間を作ったほうが自分の好みかなと思います。
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よかったら見ていってください。
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